なかなか面白いです その5
ここにとりあげる無彩色は、「色相をもたない」という色彩学的定義通りの色ではなく、かすかな有彩色の色合いをもつ色も含めて、華やかな他の多くの色たちにくらべれば、相対的に、白や灰色や黒に近いと感じられる色たちのことです。
それらは確かに、色裾せて華やかさを失った色たちの終焉の姿とも見えるが、多彩な色の遍歴の最後に辿りつく、簡素で洗練された色の極致ともいえるものです。
白、灰色、黒などは、昔からすべての色の知的論証の出発点であったとともに、美意識や色彩感覚の終着点でもあったわけです。