スクリーンを覆ううすい幕
映画館のスクリーンを覆ううすい幕。
おもしろい映画かどうかは、終わってからの観客の反応ですぐにわかる。
つまんない映画だと、観客は「さ、つぎの用事があるんだ」とばかりに、さっと席を立って出ていくが、おもしろい映画だと、エンドマークが出ても(クレジットタイトルが出始めても)、みんな余韻にひたってなかなか席を立とうとしない。
なかには腰痛ですぐには立てないという人もいるでしょうけど。
そしてクレジットが数分間流れ、映画の製作会社のマークが出るころになると、左右から(あるいは上から)うすい幕がススーッと出てきてスクリーンを覆い始める。
この瞬間がいいんですよね。
「お客さん、おもしろかったでしょ、またね」といってるみたいじゃありませんか?やがてスクリーンを覆いつくし、場内の照明がゆっくりと明るさを増してゆくと、観客はおもむろに立ち上がる。
が、いわゆる映画の見巧者といわれている人々は連れの恋人(あるいは愛人、友人)に、すぐに映画の感想をいうようなバカなことはしない。
たいていは、「うん・・・」だとか、「くーっ・・・」だとか、よくわからない言葉を発しつつ席を立つ。
このうすい幕はなければないでいいのかもしれないが、こういういい映画にあたった場合などは、余韻にひたるために、ぜひともほしい"小道旦ハ"といえる。
しかし、あの、うすい絹のような幕はいったい何というんでしょうか。
松竹に聞いた。
「スクリーン・カーテンっていってますけど」あっ、スクリーン・カーテンですか。
トホホ・・・。
このスクりーン・カーテン、ついている理由としてはスクリーンの保護と見た目ぐらいで、それほどの意味はないらしい。
見巧者の観客にとっては、実はなかなかのヤツなんですけどね。